お稽古の時に頭を悩ませるのが、茶杓の銘。12月に使えそうな言葉を紹介していきます。
季節のことば12月
雪を表す言葉
六花(ろっか)
雪の結晶の異名。形が六角形に似ていることから
まだある雪の結晶の異名(不香の花/銀花/雪花/寒花/瑞花/六辺香)
銀竹(ぎんちく)
屋根の軒下や、木の枝から、したたり落ちた水滴が凍って、氷柱ができる様子
雪しまき(ゆきしまき)
吹雪で激しく吹きあれること (雪風巻とも書く)
音を感じることば
雪折れ(ゆきおれ)
しんしんと雪が降り積もる中、雪の重みに耐えかねた枝などが折れること(雪の下折れとも呼ばれる)
杵の音(きねのおと)
餅つきのリズミカルな音を聞くともう正月が近いことを告げる
景色が思い浮かぶことば
風花(かざはな)
冬の風にのって雪がひらひらと舞い落ちる様子
返り咲き(かえりざき)
梅や山吹、躑躅(つつじ)などが本来の時期とはずれて咲くこと
暖かさを感じることば
埋み火(うずみび)
炉や火鉢の中に埋まった火のこと
寒燈(かんとう)
寒い冬の日にみられるあたたかな灯火のこと
季節のことば12月一覧
雪・霜・氷
友待雪(ともまちゆき)
溶け残りの雪が、新たに降る雪を待っているように感じられることから
霜の花(しものはな) | 霜柱(しもばしら) |
初雪(はつゆき) | 雪の朝(ゆきのあさ) |
薄氷 (うすごおり) | 初氷(はつごおり) |
初霜(はつしも) | 玉の塵(たまのちり) |
雪峰(せっぽう) | 柴の雪 (しばのゆき) |
暮雪(ぼせつ) | 雪間(ゆきま) |
氷柱(つらら) | 垂氷(たるひ)つららの古語 |
植物
枯尾花(かれおばな)
尾花だけでススキを指す、形が馬のしっぽに似ていることから
蝋梅(ろうばい) | 南天(なんてん) |
冬薔薇(ふゆそうび) | 水仙(すいせん) |
千両(せんりょう) | 万両(まんりょう) |
霜菊(しもぎく) | 寒松(かんしょう) |
枯尾花(かれおばな) | 吉祥草(きちじょうそう) |
大神楽(椿)(だいかぐら) | 初嵐(椿)(はつあらし) |
動物
都鳥(みやこどり)
ゆりかもめの雅語。夏はヨーロッパなどで過ごし、冬になると越冬のために日本に渡来する。
勇魚(いさな) | 千鳥(ちどり) |
冬鶯(ふゆうぐいす) | 氷鶴(ひづる) |
蓑虫(みのむし) | 鴛鴦(おしどり) |
夕千鳥(ゆうちどり) | 浦千鳥(うらちどり) |
磯千鳥(いそちどり) | 白鴈(はくがん) |
時候・情景
氷面鏡(ひもかがみ)
池や湖など凍って鏡のように見えるさま
大晦(おおみそか) | 惜年(せきねん) |
寒月(かんづき) | 霜の声(しものこえ) |
冬霞(ふゆがすみ) | 木枯(こがらし) |
冬木立(ふゆこだち) | 枯野(かれの) |
冬ざれ(ふゆざれ) | 冴ゆ(さゆ) |
冬夜(とうや) | 愛日(あいじつ) |
霜枯(しもがれ) | 冬の雷(ふゆのらい) |
冬霞(ふゆがすみ) | 冬晴(ふゆばれ) |
窓の雪(まどのゆき) | 柴の雪(しばのゆき) |
窓の雪(まどのゆき) | 冬凪(ふゆなぎ) |
風物詩
顔見世(かおみせ)
歌舞伎で12月に役者の顔ぶれを新たに発表すること。江戸時代の役者は一年契約の11月〜翌10月だったため、12月に一座おめみえするのが習慣だった。
巣籠(すごもり) | 冬籠(ふゆごもり) |
冬構(ふゆがまえ) | 寒紅(かんべに) |
竃猫(かまどねこ) | 里神楽(さとかぐら) |
千秋楽(せんしゅうらく) | 楽日(らくび) |
昔話(むかしばなし) | 歳の瀬(としのせ) |
顔見世(かおみせ) | 事始(ことはじめ) |
鉢叩(はちたたき) | 雁木(がんき) |
去来(きょらい) | 晩鐘(ばんしょう) |
年忘れ(としわすれ) | 歳暮(せいぼ) |
年の市(としのいち) | 年の内(としのうち) |
煤払(すすはらい) | 葛家(くずや) |
雪踏(ゆきふみ) | 札納(ふだおさめ) |
囲炉裏(いろり) | 餅つき(もちつき) |
陣太鼓(じんだいこ) | 暦売(こよみうり) |
その他
能に関連
鉢木(はちき)猩々(しょうじょう)
禅語・四字熟語に関連
閑座(かんざ)閑座(かんきょ)無事(ぶじ)三寒四温(さんかんしおん)
立雪(りっせつ)
ちょこっとメモ
鉢木(はちのき)…雑能とも言われる四番目物の能。主人公の貧乏な武士のもとに宿を求めて旅人がやってきて、武士は秘蔵の桜や松の鉢木を燃やし、旅人に暖を取らせたという物語。
シテは一般の武士、
ワキは鎌倉の五代執権・北条時頼。
猩猩(しょうじょう)…切能とも言われる五番目物の能。夢のお告げを聞いた親孝行者の男が、猩猩に酒をふるまい、お礼にくめども尽きない酒壺を与えられる物語。
シテは親孝行な男、
ワキは猩猩という架空の存在、お酒好き。
祝言能というおめでたい演目のため、猩猩と男が杯を酌み交わす後半部分のみが上演される場合も多い。
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