お稽古の時に頭を悩ませるのが、茶杓の銘。10月の茶杓の銘などに使えそうな言葉を紹介していきます。
もくじ
季節のことば10月
紅葉の美しさを表す
金風(きんぷう)
秋の風のことをさす。色づいた葉が風にのって舞う様子を表している。
落葉船(おちばぶね)
水面に落ちた葉がゆらゆらと流れ、川をわたる船に見えるようす。
唐錦(からにしき) | 深山の錦(みやまのにしき) |
秋の錦(あきのにしき) | 錦秋(きんしゆう) |
山紅葉(やまもみじ) | 竜田姫(たつたひめ) |
季節のことば10月一覧
植物
尾花(おばな)すすきの花だけをさす季語。黄金色でふさふさした花部分は動物の尾のように見えるため。
八重菊(やえぎく) | 落穂(おちぼ) |
紅葉(もみじ) | 残菊(ざんぎく) |
青瓢(あおふくべ) | 瓢(ひさご) |
撫子(なでしこ) | 牽牛花(けんぎゅうか) |
熟柿(じゅくし) | うみ柿(うみがき) |
早稲(わせ) | 晩稲(おくて) |
照葉(てりは) | 櫨紅葉(はぜもみじ) |
薄柿(うすがき) | 枝柿(えだがき) |
包柿(つつみがき) | 枝柿(えだがき) |
八束穂(やつかほ) | 穂波(ほなみ) |
蔦紅葉(つたもみじ) | 稲の香(いねのか ) |
稲の波(いねのなみ) | 実り(みのり) |
末枯(うらがれ) | 蔦紅葉(つたもみじ) |
薄紅葉(うすもみじ) | 落葉(らくよう) |
富草(とみくさ) | 鬼灯(ほおずき) |
笑み栗(えみぐり) | 蔦葛(つたかずら) |
動物に関する
月鈴子(げつれいし)
鈴虫の異称。他にも声が美しいとされる秋の代表的な虫には松虫や蟋蟀(こおろぎ)などがいる。
群雀(むらすずめ) | 渡り鳥(わたりどり) |
連雀(れんじゃく) | 紅葉鮒(もみじぶな) |
小男鹿(さおしか) | 邯鄲(かんたん) |
燕帰(えんき) | 燕帰る(つばめかえる) |
雁書(がんしょ) | 雁使(がんし) |
雁の文(かりのふみ) | 雁の玉章(かりのたまずさ) |
雁鳴く(かりなく) |
時候・情景
錦秋(きんしゅう)
優雅で色華やかな錦のような美しい秋をあらわす
秋の川(あきのかわ) | 秋深し(あきふかし) |
秋の野(あきのの) | 秋風(あきかぜ) |
時雨(しぐれ) | 木枯し(こがらし) |
豊年(ほうねん) | 冬日和(ふゆびより) |
山路(やまじ) | 山里(やまさと) |
秋晴(あきばれ) | 小春(こはる) |
村時雨(むらしぐれ) | 里の秋(さとのあき) |
初紅葉(はつこうよう) | 秋時雨(あきしぐれ) |
庭の秋(にわのあき) | 秋の田(あきのた) |
山の秋(やまのあき) | 山の色(やまのいろ) |
秋嶺( しゅうれい) | 秋の嶺(あきのみね) |
山装う(やまよそおう) | 山路(やまじ) |
深山( みやま/しんざん) | 深山路(みやまじ) |
野地の秋(のじのあき) | 末の秋(すえのあき) |
暮の秋(くれのあき) | 行く秋(ゆくあき) |
秋時雨(あきしぐれ) | 秋の田(あきのた) |
露寒(つゆさむ) | 冬隣(ふゆどなり) |
豊の秋(とよのあき) | 出来秋(できあき) |
風物詩
敷松葉(しきまつば)
霜よけ、または趣をそえるために庭に敷く枯松葉。
玄猪(げんちょ) | |
茸狩(たけがり) | 夷講(えびすこう) |
神嘗祭(かんなめさい) | 吊るし柿(つるしがき) |
里祭(さとまつり) | 秋祭(あきまつり) |
添水(そうず) | 柴の庵(しばのいおり) |
火祭り(ひまつり) | 刈田(かりた) |
案山子(かかし) | 鳴子(なるこ) |
秋耕(しゅうこう) | 鳴竿(なるさお) |
藁塚(わらづか) | 稲扱(いねこき) |
山苞(やまづと) | 杣人(そまびと) |
紅葉狩り(もみじがり) | 茸狩り(たけがり) |
紅葉ひろい(もみじひろい) | 笛の音(ふえのおと) |
茸寵(きのこかご) | 冬支度(ふゆじたく) |
砧(きぬた) | 遠砧(とおきぬた) |
神楽歌(かぐらうた) | 神舞(かみまい) |
ちょこっとメモ
小男鹿(さおしか)…鹿の異称。
雁渡し(かりわたし)…雁が渡ってくる際にのる北風のこと。「青北風(あおきた)」とも呼ばれる。
燕帰(えんき)…夏鳥である燕(つばめ)が春にやってきたあと秋に南方へ帰っていくこと。
添水…ししおどしの別名、もともとは鳥や動物を追い払う農具だったが、音を楽しむものとして日本庭園に取り入れられた。
二季鳥…雁の異称で、秋に渡ってきて春に帰ることから。
紅葉鶏…鹿の異称。
照葉…赤く美しく紅葉した草木のこと。
邯鄲…コオロギ科の昆虫で晩夏から秋にかけて河川の近くで見られる。「ルルルルル」という鳴き声で鳴く。ちなみに「邯鄲の夢」は中国の古都の名前からとられたもの。
紅葉鮒…秋になってヒレやウロコが赤く色づいた鮒のこと。滋賀県の琵琶湖が産地として有名で、江戸時代には春と秋の収穫期に鮒寿しを作っていた。
連雀…北方から来る渡り鳥、頭の上にとさかに似たこげ茶の冠毛があり、体のところどころにピンクや黄色の体毛をもつ。
包柿(つつみがき)…わらに包んで熟成させた柿のこと。
八束穂(やつかほ)…たわわに実った、長い稲穂のこと。
富草(とみくさ)…稲の古語。
山苞(やまづと)…里山からのみやげもの。
杣人(そまびと)…山仕事を生業とする木こりのこと。古くから木を利用するのに手入れをした山を杣山(そまやま)という。切り出した木材は杣木(そまぎ)と言われる。
月別の茶杓の銘はこちら!
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