「柄杓にて湯をくむ時の習には三つの心得あるものぞかし」
利休道歌にある「柄杓にて湯をくむ時の習には三つの心得あるものぞかし」。この3つについて見ていきたいと思います。
柄杓で汲む時の3つの心得
- 水や湯を杓で汲むときは、9分目までにする
- 湯は釜の底から、水は水差の中間から汲む
- 注いだ後に、柄杓を上下にうごかして水切りしない
2と3について見ていきましょう。
2、湯は釜の底から、水は水差の中ほどから汲む
理由はなるべく綺麗な水をすくいたいからが理由です。
釜の湯はたえず沸き立ち、対流によってちりなどの不純物が上にあるので、上澄みをさけて釜の底から汲む。
反対に水差しの水は、不純物が底に落ちているので、中ほどから汲む。
中水湯底(なかみずゆぞこ)と言われたりします。
3、注いだ後に、柄杓を上下にふって水切りしない。
注いだ後にポタポタっと落ちる水滴。気になりますよね(笑
でもお茶の世界では、柄杓をふって水切りするのは良くないこととされています。
また、柄杓の水が切れないからと柄杓を高く上げすぎるのも「油柄杓」と呼ばれ
よくないと言われています。
昔の油屋が油の移し替える時に柄杓をどんどん上にあげていく様子からとられています。
茶碗や釜に注ぐときは合ひとつ分の高さが基準です。
注いだら、勇気をもって柄杓を返してみましょう。以外にこぼれないものです。
汲んだら、注ぎ切るか、切らないか。
柄杓の扱いで他に気になることがあります。
汲んだら、注ぎ切るか、切らないか。
です。私の場合をざっとまとめてみました。(薄茶の場合で考えています)
湯量や注ぎ切りかまとめ※薄茶時
- 茶筅通しのとき
お湯を釜の底から、茶碗に注ぎ切る (風炉は置き柄杓) - 抹茶を点てるとき
お湯を釜の底から、湯を釜に戻せる (風炉は切り柄杓) - 茶碗をすすぐとき
お湯を釜の底から、茶碗に注ぎ切る (風炉は切り柄杓) - 茶筅通し(仕舞いのとき)
水を水差の中ほどから、茶碗に注ぎ切る (風炉は引き柄杓) - 釜に水をさすとき 水を水差の中ほどから、釜に注ぎ切る (鏡柄杓)
「1、水や湯を杓で汲むときは、9分目までにする。」は私の場合、
抹茶を点てるときと釜に水を指すときだけ9分目まで
その他のときは9分目以下
にすることが多いです。茶碗の大きさや温まり方、釜に残った湯量などを気にしながら進めていくと、いつも自然と9分目よりも下になります。
もし気になったり迷ったりしたら、先生に聞いてみると良いですね。
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