静岡の清水屋『黒大奴/くろやっこ』の和菓子を食べてみました。
艶やかな黒いようかんの皮に、舌触りしっとりのこしあんが入ったお菓子です。
赤と白の粋な包み紙みを開けたらあざやかな箱が。
「東海道 島田宿」って書いてありますね。
歌川広重の東海道五十三次の「島田宿 大井川駿岸」でしょうか
島田屋は渡るのが難しいと言われた大井川の手前に位置する宿場のことで、
かなり栄えた場所だったとか。
また大井川はかつて徳川家康が隠居していた駿府城の西に位置する川で、
戦略上の理由から橋を架けたり、渡し船も禁止していたそうです。
パッケージを開けるとつぶらなで艶ややかなお菓子のおめみえです。
おまんじゅうだと思って購入したので、開けた時はかなり小ぶりだなと思いました。
蒸し饅頭というよりも赤福のお餅くらいの大きさでしょうか。
羊羹の皮ってこんなに黒かったかしら、と思ったら実は羊羹の皮には秘密が隠されていました。
なんと皮には昆布を使っているそうです!
ひぇー昆布ってあの昆布ですか!?
あれは、鍋やお味噌汁に使う素材なのでは?
薄切りで入っているのか、パウダーやエキスなのかしら?
頭にハテナマークが浮かびましたが、好奇心もムクムク湧いてきました。
いざ実食です!
羊羹とこしあんは一緒に食べることが普段からあまりないお菓子ですし、高確率で甘ったるくなりそうなコンビですが、どうでしょうか?
ウマイ!羊羹とこしあんのハーモニーが最高です!!(*´∀`*)
中はこしあんは、さらっとほどける柔らかさ。
甘さもしつこくなく、お茶が飲みたいと思えるほどよい加減。
そして中のこしあんが薄く見えるほど、濃い羊羹の皮には
ほんのりした塩気とうま味も感じます
ウッ、ウマーイ(≧∇≦)
昆布はなんらかの方法で羊羹の中に練りこまれていますね。
もちろん昆布の味は全くしません、塩味とうま味だけをうまく借りている感じです。
恐るべし昆布の実力。
鍋やお味噌汁だけかと思ったらお菓子にもあうんですね。
で、何個かたべて、はたと気付きました。
あれ?うま味として昆布を使っているお菓子が他にもあるぞ、と。
皆様、チョコはお好きでしょうか?
昆布をうまく使ったチョコ、実は食べたことがあります。
パティシエ&ショコラティエ、辻口博啓さんの
「C.C.C. DNAショコラ」
真昆布を軟水に一晩浸してとった”ダシ”をチョコレートに入れたチョコレートを発表されていました。
ダシをさらに科学技術でナノサイズにすることでカカオと合わせることに成功したんだとか。
チョコの中にうま味があって、なんとも美味しかったのを覚えています。
で気になったのが発表年、黒大奴は明治時代につくられたお菓子。
明治の終わりは1912年なので、すでに誕生から100年は経過している模様です。
古くから和菓子の職人さんは昆布がお菓子にとっても合うことを見抜いていたんですね。
静岡の清水屋『黒大奴/くろやっこ』
つややかで、昆布が名脇役のお菓子、食べてみてはいかがでしょうか?
それでは、本日も良き一服を!
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