もくじ
平家物語2話のお花
万両
万両がでてくるのは、資盛(すけもり)が伊勢送りで、家族との別れを惜しむシーンの後。
清盛の豪邸とともに左に描かれている花が万両です。
万両の別名はヤブタチバナ、高さは約1メートルぐらいに育ちます。
冬に赤い実といえば、南天や千両もありますが、見分け方はじつは簡単で、
南天はぶどう状に
千両は葉の上に
万両は葉の下に
実をつけます。
アニメでは長い葉の下に、さくらんぼのように枝分かれした赤い実がみえますので万両だと推測できますね。
千両
なんとアニメでは万両と千両が描き分けられています。
制作会社さん、さすがのお仕事!
千両が描かれているシーンは
重盛が「天皇家に輿入れをする」と言った直後、町の人々がうつるシーンです。
その左側にかかれた花が千両。
少しギザギザした葉っぱに
葉の上になる赤い実
まさしく千里の特徴とぴったりです。
アニメ冒頭に描かれた万両は
丸みを帯びた葉っぱに
葉の下から垂れる赤い実
よーく見ると違いがわかりますよ。
ちなみに中国では「仙蓼/せんりょう」と名づけられていましたが、日本では百両という植物があり、それにならって習って仙蓼から千両という字に変わったそうです。
藤
チラッとだけ挟まれていた藤の花。
実は平家物語の「還御/かんぎょ」の頁に
「千年藤/ちとせふじ」と呼ばれる話しがあります。
平清盛と高倉天皇が厳島神社からの帰り道に、
広島の敷名の浜にとまりしました。
その時に、浜に美しく咲きみだれる藤を見て上皇は称賛し、大納言の隆季(たかすえ)が
「 千とせへん 君がよはひに 藤浪の 松の枝にも かかりぬるかな 」
と1首したためたそうです。
千年をも生きる上皇さまの長寿にあやかって、
藤の花も咲き誇っている。という内容のものでした。
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